【国保中央会】ケアプランデータ連携システムとは?現場が楽になる3つのメリットと料金・導入方法をさくみんさんが解説
監修:さくみん(ICT活用アドバイザー)
「毎月、月末月初のサービス提供票のやり取りで残業が確定している……」 「FAXの送信エラーや、手入力での転記ミスにいつもヒヤヒヤしている……」
居宅介護支援事業所のケアマネジャー様、そして通所・訪問系サービスの皆様、このような業務負担に悩まされていませんか?
結論からお伝えします。「ケアプランデータ連携システム」を導入することで、毎月のFAX送信やシステムへの手入力(転記)作業をゼロにし、業務時間を大幅に削減することが可能です。
この記事では、国保中央会が提供する公式システムの仕組みと、現場にもたらす3つの具体的なメリット、そして気になる料金や導入方法について、ICT活用アドバイザーのさくみんさんの知見を交えて分かりやすく解説します。
1. そもそも「ケアプランデータ連携システム」とは?
ケアプランデータ連携システムとは、公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)が構築した、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で「予定・実績(サービス提供票)」などのデータを、インターネット経由で安全に送受信できるシステムのことです。
これまでは、ケアマネジャーが作成した「サービス提供票(予定)」を印刷してFAXや郵送で各事業所に送り、各事業所はそれを見て自社の介護ソフトに手入力していました。実績報告も同様に、紙ベースでのやり取りが主流でした。
このシステムを使うと、異なるメーカーの介護ソフトを使っていても、標準仕様(CSVファイル等)を通じてデータのまま直接やり取りが可能になります。
【さくみん’s ポイント】
「簡単に言うと、『今までFAXや郵送で行っていた紙のバケツリレーを、データ送信ボタン一つで完了させる仕組み』です。お互いのソフトが違っても『共通語』で会話できるようになった、とイメージしてください。」
2. 介護現場が変わる!導入の3つの具体的メリット
なぜ、今このシステムが推奨されているのでしょうか。それは、単なる「デジタル化」ではなく、現場のスタッフを守るための「業務改善」に直結するからです。
① 転記作業とFAX送信が不要に(業務効率化)
最大のメリットは、「見ながら打つ」という転記作業がなくなることです。
- 居宅側: 何十件もの事業所へFAXを送信する手間、届いたかどうかの電話確認、再送信の手間がなくなります。実績も、データを取り込む(インポートする)だけで、自分の建てた予定に入力されるので、相違のある点だけ確認すればよく入力や確認に要する手間が減ります。
- サービス事業所側: 送られてきたFAXを見ながら、利用者様一人ひとりの予定を自社ソフトに入力する時間がゼロになります。データを取り込む(インポートする)だけで、予定情報が反映されます。
月末の忙しい時期に、何時間もかかっていた事務作業が数分で完了することも珍しくありません。
② ケアレスミスや心理的負担の軽減(質の向上)
人間が手作業で行う以上、入力ミスやFAXの誤送信(宛先間違い)のリスクはゼロにはできません。特にFAXの誤送信は、個人情報漏洩という重大な事故につながる恐れがあり、現場のスタッフにとって大きな心理的ストレスとなっています。
システム連携であれば、データがそのまま正確に移動するため、数字の打ち間違いや読み間違いといったヒューマンエラーを根本から防ぐことができます。「ミスをしてはいけない」というプレッシャーから解放されることは、スタッフのメンタルヘルスケアにとっても重要です。
③ 印刷代・通信費・人件費の削減(コスト削減)
「紙」を使わなくなることによるコスト削減効果も明白です。
- 毎月の大量のコピー用紙代・トナー代
- FAXの通信費や郵送代
- そして何より、事務作業にかけていたスタッフの「人件費(残業代)」
これらを試算すると、システムの利用料を支払っても十分にお釣りがくるケースがほとんどです。浮いた時間と費用は、利用者様へのケアや、スタッフの処遇改善に充てることができます。
3. 気になる料金は?(年間利用料について)
「便利なのは分かったけれど、高いのでは?」と心配される方も多いでしょう。
ケアプランデータ連携システムの利用料は、1事業所番号あたり年間21,000円(税込)です。
これを月額に換算すると、約1,750円です。 事業所の規模(利用者数)に関わらず一律料金であるため、特に利用者数が多い事業所ほど、コストパフォーマンスは高くなります。
月に数時間の残業代や、数千円の通信・印刷費がかかっている現状を考えれば、投資対効果(コスパ)は非常に高いと言えるでしょう。
※2026年5月31日までに導入した場合はフリーパスキャンペーンの適用となり、導入日から1年間は無料で利用できます。
4. 導入に必要な準備とステップ
導入は決して難しくありません。以下のステップで進めてみましょう。
ステップ1:自社の介護ソフトが対応しているか確認する
まずはお使いの介護ソフト(請求ソフト)が、ケアプランデータ連携システムに対応しているかを確認してください。ほとんどの主要メーカーは対応済みですが、オプション契約が必要な場合や、バージョンアップが必要な場合があります。
ステップ2:電子請求受付システムから電子証明書をパソコンにインストールする。
電子請求受付システムにログインし、利用するパソコンに必要な「電子証明書」をインストールします。(伝送に利用中のパソコンの場合はインストールの必要ない場合があります。)
ステップ3:ケアプランデータ連携システムをインストールする。
ケアプランデータ連携システムヘルプデスクサイトから「ケアプランデータ連携システム」をダンロードし、インストールを行います。
ステップ4:利用申請を行う
利用状況WEBサイトから利用申請を行います。
【さくみん’s アドバイス】
「『申請』や『証明書』と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは介護ソフトのサポート窓口や担当営業さんに『ケアプラン連携をやりたいんだけど』と電話してみるのが一番の近道です! ソフト会社さんが設定方法をナビゲートしてくれることも多いですよ。」
5. よくある質問(FAQ)
Q. 相手先の事業所が導入していないと使えませんか?
A. はい、現状ではデータ連携を行う双方がシステムを導入している必要があります。
「うちは導入したいけど、連携先の居宅さんがまだで……」という声もよく聞かれます。しかし、どちらかが声を上げなければ便利になりません。「お互いに楽になりますよ」と、地域の事業所同士で声を掛け合って導入を進めるケースが増えています。
Q. パソコンが苦手でも操作できますか?
A. 基本的な介護ソフトの操作ができれば問題ありません。
介護ソフトからのデータの取り出しや取り込みは手順に沿って行うので難しくありません。また取り出したデータをマウスで指定された場所に移動させるだけの簡単な操作で直感的に操作できます。
まとめ:デジタルは「楽をするため」に使おう
ケアプランデータ連携システムは、決して国や行政のために導入するものではありません。現場で働く皆様が、非効率な単純作業から解放され、本来の専門業務である「利用者様のケア」に集中するために存在します。
最初は導入の手続きや慣れない作業を少し手間に感じるかもしれませんが、その先には「時間に追われない未来」が待っています。ぜひ、この機会に検討を始めてみてはいかがでしょうか。
タダカヨでは、さくみんさんをはじめ、ICT活用に詳しいメンバーが皆様の業務改善を応援しています!



